約 3,837,864 件
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/1243.html
前ページ次ページS-O2 星の使い魔 「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」 ゴクリ、と誰かが唾を飲み込む音が聞こえる。 決闘の舞台たるヴェストリの広場は、異様な空気に包まれていた。 それは荘厳なまでに重々しく、静かで、孤独で。 ああ、これこそが互いの誇りを賭けた、本当の『決闘』なのだ。 これより始まるのは、子どもの喧嘩などでは断じてない。 二人の少年の全身全霊を賭けた戦いに嵐を予感し、生徒たちは戦慄した。 「本当に構わないのかい、ルイズ?」 「いい機会だわ。現実と礼儀を叩き込んでやってちょうだい」 眼前に立つ不遜なる平民、その主たる少女のお墨付きを得てギーシュは獰猛な笑みを浮かべる。 わが一族を貶めたその罪、いかに贖わせてくれよう。 「ど、どうしてそんな言い方をするんですか……? 酷いです……」 恨めしそうなシエスタの声に、ルイズは唇を噛む。 自分だって使い魔のことが心配でないと言えば嘘になる。 だが、彼女はこれ以外にこの場における言葉を知らないのだ。 せいぜい『痛い目』止まりで済むことを祈るしかない。 「……」 周囲のざわつきを無視して、その横でクロードは黙々とウォームアップをしている。 指を絡めて伸びをすると、ポキリポキリと小気味良い音がした。 糞餓鬼が、フェイズガンで粉々に吹き飛ばしてやろうか。 ドス黒い衝動が体の奥底から湧き上がる。 いっそ、これに身を任せられるならばどれほど楽だろう。 だが、それは理性と感情の双方から否定される。 下手に文明の利器に頼り、回りからゴチャゴチャと文句を言われるのは面倒だ。 誰の目にもわかるような形で、キッチリと叩きのめして差し上げなくては。 それにこれは、自分が努力して手に入れた力ではない。 惑星ミロキニアの探索中に、父から預かったものでしかないじゃないか。 自分の喧嘩に借り物の力を、ましてや父の力を使うのは、クロードのプライドが許さなかった。 「僕はメイジだ、だから魔法で戦う。よもや文句はあるまいね」 「喧嘩に卑怯も糞もあるかよ」 あくまでも気取った態度を崩さないギーシュに、興味無さげに吐き捨てるクロード。 これ以上の言葉のやりとりは無意味だと判断したのか、ギーシュは薔薇を振りかざし、 花びらが一枚落ちると、何も無かった大地から戦乙女を模した青銅の像が生まれる。 ほう、とクロードが感心したように目を丸くする。 「さっきの授業でやってた錬金の応用か」 「その通り。これが僕の、『青銅』のギーシュの力、ゴーレムのワルキューレだ」 「成る程、如何にも君らしい。好事家に見せれば良い値が付きそうだ」 「言ったな! すぐにその下賎な口を利けなくしてやる!」 ギーシュが号令をかけると、ワルキューレは疾風のごとくクロードに踊りかかった。 思わぬスピードに一瞬戸惑うが、咄嗟に地面を転がって避けるクロード。 さらに連続で突き出される青銅の拳を、左右のステップで巧みに避けていく。 「どうした、逃げてばかりでは勝負にならないだろう!」 ギーシュの挑発を聞き流し、クロードは脳内の回路をフル稼働させる。 なるほど、速い。それにパワーもある。 だが、それだけだ。 確かにスピードや馬力はあるが、動きそのものは単調、大雑把で無駄が多い。 要するに、さほど出来の宜しくない人型戦闘マシンだと思えば良い。 素手で相手をするには厄介な相手だが、対処法が無いわけではない。 基本は相手の自重を利用することと、構造の弱い部分を狙うこと。 繰り返される何度目かの突撃。 馬鹿の一つ覚えとはこのこと、既にタイミングは見切っている! 「てぇいっ!」 突撃してきたワルキューレを紙一重でかわし、その膝にすれ違い様に踏み折るように蹴りを入れる。 青銅の足がぐにゃりと曲がり、大きくバランスを崩したところで 後ろに回り込んで反対の足を払うと、ワルキューレは重力に抗う術を失って大地へと吸い寄せられる。 そして完全に崩れ落ちる前に後ろから当身を入れ、うつ伏せに倒れた後頭部を追い討ちで踏み潰す。 この一連の動きは5秒に満たない。 踏み潰されたワルキューレはクロードを乗せたまま起き上がろうと足掻くが、 首筋を狙ったストンピングを数発入れると、やがて沈黙した。 母さんならば3秒、それも最初の一撃で終ってるな。 静まり返った聴衆を尻目に、己の未熟さに苦笑するクロード。 額に浮かんだ汗を拭いながら誰にも聞こえないように呟き、ギーシュへと向き直る。 その表情には驚きと幾許かの余裕。 ちえっ、これはウォーミングアップかよ。 果たして、ギーシュの手から二度、三度と薔薇が振られると、新たに6体のワルキューレが具現した。 「どうやら君を見縊っていたらしい、本気でいかせてもらおう。 これこそが僕の全力、7体のワルキューレを使役する力さ。 1体は君に倒されてしまったけれど、この数を相手に何処まで戦えるかな?」 「意外と頑張るわね、彼。そう思わない、タバサ?」 「……」 上空に舞う竜の背に、対照的な体格をした女子の影二つ。 キュルケとその友人のタバサである。 タバサの使い魔である風竜シルフィードの背中から、二人の決闘を観戦していたのだ。 正確にはただの風竜ではないのだが、それはここでは置いておく。 基本的に守勢に回っているクロードであるが、 隙を見つけては蹴りや掌底を入れ、足を払って地面に叩きつけ、ワルキューレ同士を激突させたりしている。 金属のゴーレムを、魔法の使えない生身の人間が相手にするには、実に理に適った攻撃手段と言えるだろう。 (やっぱり、あれは特別な訓練を受けた人間の動き。素人に出来る戦い方じゃない) タバサの眉が微かに動き、眼鏡のフレームが陽光を受けて光る。 タイマンの喧嘩と対多数の戦闘は根本的に別物であり、なかなか経験の無い人間が即興で対応できるものではない。 囲まれないためのフットワーク、バックを取らせない位置取り、効果的な攻撃の選択。 戦場を広く使い、可能な限り一対一の状況を作り出してダメージを蓄積させていく。 腕力、瞬発力と言った基礎スペックに劣りながらこれだけの戦いを展開できることに内心で舌を巻くタバサ。 実践経験豊富なタバサだからこそ、クロードの持つ戦闘力の高さに感心していた。 そして、だからこそ、その先も見えてしまう。 「けれど、このままでは勝てない」 「あらら、厳しいわね」 「攻撃力が足りていない。このままでは殲滅するよりも先に体力が尽きる」 そう呟くタバサの口調は少し悔しそうに聞こえたのは、キュルケの思い過ごしだっただろうか。 地面が柔らかい土でなく、堅い石畳だったならば。 素手でなく、何かしらの武器があれば、或いは。 だが、不利とは即ち敗北を意味しない。 安易な予想が真剣勝負においていかに危険なものか、タバサは熟知している。 戦いはまだ、続いている。 (これで、3体目……!) 蹴り飛ばされて動かなくなったワルキューレを横目にクロードは大きく息を吸いこみ、 突っ込んできた別の2体のワルキューレの隙間を身を屈めて潜り抜け、 追撃が来る前にバックステップで距離をとり、体勢を整える。 くそっ、このままじゃジリ貧だ。 想像以上に高い青銅のゴーレムの耐久力にクロードは舌打ちする。 既に決闘が始まって10分近くが経過し、残りは4体。 クロードの考えは、奇しくもと言うべきか、それとも必然と言うべきか、 先ほどタバサの考察とほぼ同じ結論に達していた。 残り4体のワルキューレも無傷と言うわけではないが、それはこちらも同じこと。 捌ききれずに打撃を受けた箇所がじりじりと痛む。 心臓が激しくのた打ち回り、酸素を取り込むたびに肩が上下しているのが自分でもわかる。 膝と脹脛の痺れが、限界はさして遠くないことを主張している。 ダメージはともかく、疲労を考慮に入れればこちらの旗色が悪いと言わざるを得ない。 くそったれ、こんなことなら白兵戦の訓練をもっと真面目に受けておくんだった。 取れる手段は、無いわけではない。 人の持つ潜在的なエネルギー、紋章術に先んじて体系化された力。 格闘家の肩書きも持つ、母の得意分野。 だが、クロードは未だ訓練ですら完全な形で成功させたことは無かった。 それでも今は、自信は無くてもやるしかない。 このままの戦い方を続けても勝ち目は薄い。 分が悪いことには変わりは無いが、一発に勝負を賭けるほうが確率は高い。 足を止め、臍の下───丹田に力を篭める。 全身の力を抜き、スゥ、と静かに息を吸い込む。 取り込んだ酸素を全身の隅々にまで行き渡らせるように。 心臓を通して全身を巡る血液の動きに、クロードは全身を震わせる。 「何を考えているかは知らないが、足を止めるなど!」 その動きを好機と見たギーシュは、傍らに護衛の一体を残して突撃を敢行させる。 殴りかかるワルキューレ、一体目は左にステップ、二体目は屈んで横を潜り抜ける。 狙いは三体目、練り上げた気の全てを右手に集中する! 「流星掌、いけぇッ!!」 ドガッ、ガガガッ! クロードの渾身の連打がワルキューレの胸板を貫き、激しく吹き飛ばした。 めきり、ごきり、ぐしゃ。 骨の砕ける嫌な音とともに。 「───ッ!」 そのあまりの生々しさに、一部の生徒が目を背ける。 錬気が不十分だったため、衝撃を吸収しきれずに拳が砕けたのだ。 「う、ぐぅっ……!」 右手の指がありえない方向へ曲がり、襲い掛かる激痛に思わず膝を突くクロード。 吹き飛ばされたワルキューレは動く気配も無く、土へと還っていく。 しかし、その代償はあまりに大きかった。 対するギーシュの表情も一瞬凍りついたものの、やがて勝利を確信した笑みに変わる。 「平民の分際で、この僕とワルキューレをここまで手こずらせるとはね……だが、これまでだ」 賭けは、失敗だ。 激痛と悔しさにギリ、と奥歯を噛み締めるクロード。 そこに新たに小さな一つの人影があることに気付き、虚を突かれる。 あれ、この背中は─── 「……二人とも、そこまでよ」 「どういうつもりだい、ルイズ。神聖な決闘に割り込もうなど」 ギーシュはあからさまに不快そうに眉を顰める。 「決着なら既についたでしょう? 右腕が砕けたのよ、もう彼は戦えないわ」 ルイズの声は微かに震えていたが、その態度はあくまで凛々しく、毅然としていた。 いつか見た、憧れ、追いかけ続けた背中を思い出す。 そんなルイズの背中を見て、水面のような穏やかな心でクロードは思う。 彼女は、強い人だ。 かつて父は言った。戦いを上手く終らせられる者こそ、真の強者であると。 彼女のしていることは、彼の言うとおり決闘を汚す行為。 だが、それでも彼女は目の前にいる。 二人の戦いを、子どもの喧嘩を止めるために。 巻き込まれることも、誇りを傷つけて憎まれることすら恐れずに。 その優しさが、強さが眩しくて。 嬉しさとともに悔しさが込み上げる。 彼女の小さな背中が、父の大きな背中と重なる。 いつの間にか、ギーシュへの憎しみが消えていることに気付く。 ならば、この戦いはやめるべきだろうか。 普通に考えるならばそうなのだろう。だが────── 「……続けよう、ギーシュ」 クロードはそれを良しとせず、立ち上がった。 観衆からはどよめきが上がり、ルイズは驚愕に目を見開いて振り返る。 その目が微かに潤んでいるように見えたのは、激痛が見せた幻だろうか。 「あんた、正気!? そんな手で、どうやって戦うって言うのよ!?」 「まだ、こっちが残ってるさ」 おどけるように左手をかざすクロード。 今度ははっきりと目の端に涙が浮かんでいるのが解る。 本当に優しい子なんだな、と今更ながらクロードは思う。 「なんで、どうして!? あんたはもう十分に戦ったじゃない! 誰もあんたのことを責めたりなんかしないわ!」 「僕が責める」 「……っ!」 ルイズが言葉に詰まる。 「ここで退いたら、僕は君の使い魔でいることに胸を張れない」 誰かに守られることにはもう飽きた。 誰かを守れるような人間になりたい。 父のように、ルイズのように。 だから、決着は自分の手で。 偽らざるクロードの本心。 それに、気付いてしまったから。 「……馬鹿よ、あんた」 ルイズには、止められなかった。 言葉の代わりに、幾千万の思いを籠めてクロードは無事な左手を俯くルイズの肩に乗せる。 僕は君のように優しくも強くもない、小さな小さな臆病者だから。 ここで君の優しさを受け入れてしまったら、それに甘えてしまう。 二度と自分の足で立てなくなってしまう。 そんな腰抜けに、使い魔として君の傍らに居る資格なんて無い。 ……ごめんね。そして、ありがとう。 震える足で大地を踏み、砕けた右手を握り締める。 痛みで意識が覚醒し、搾り出した力が全身に行き渡る。 眼前に立つワルキューレは3体。 状況は最悪を通り越して絶望的。 けれど、心はこれまでに無いほど澄み渡っていた。 いつか聞いた物語、笑って死地へ向かったと言う戦士たち。 彼らを愚者と笑うも自由、勇者と称えるも自由。 彼らはこんな気持ちだったのだろうか。 僕はそんな人たちに、少しでも近づけたのだろうか。 気に入らない。 気に入らない、気に入らない、気に入らない! これだけ絶望的な状況にあって、なぜこの男は笑っていられる? 何時の間にか、聴衆は皆クロードに同情、或いは賞賛の意を向けている。 これではまるで、自分は引き立て役じゃないか! 「……潰せ、ワルキューレ」 苛立ちに任せ、ワルキューレに突撃を命じる。 見ろ、左手一本では碌に戦うことも出来ず、逃げ回るだけじゃないか。 そうら、踊れ、踊るんだ。僕の気を晴らすために。 跪け、這い蹲れ、無様に哀れみを請え。我が一族を侮辱した愚か者め! ギーシュは気付いていない。 湧き上がる衝動に任せて杖を振るう自分の顔が、狂気に醜く歪んでいることに。 その顔を見た一部の女子が、恐怖で目を背けていたことに。 殴られる。 よろめく。 蹴飛ばされる。 倒れる。 左手一本で起き上がる。 一体、何度繰り返しただろう。 既に服は土と血でドロドロになり、元の色の判別は困難だ。 立ち上がっても重心は定まらず、バランスを保てずにふらついている。 それでも、痛々しく腫れあがった顔の奥に光る目だけが敗北を拒絶している。 もう止めて。これ以上続けたら、本当に死んでしまう。 ギャラリーから悲鳴に近い野次が飛ぶ。 正視に耐えず、視線を逸らしているのは一人や二人ではない。 シエスタに至っては、涙と鼻水で顔をぐしゃぐしゃにして嗚咽と謝罪を繰り返すばかり。 ごめんなさい、ごめんなさい。私が余計な事をしたばっかりに。 「……何故だ。何故、戦いを続ける!? 何が君を、そうまでして立ち上がらせるんだ!?」 血を吐くようにギーシュが叫ぶ。 決闘が始まって既に数十分、ずっとワルキューレを使役し続けてきた精神は消耗し、 その顔からは血の気が引き、冷たい汗が全身を濡らしている。 否。それが疲労によるものだけでないことに、ギーシュ自身も既に感づき始めていた。 どれほど痛めつけても、地に伏させても、決して折れない心。 光の消えない瞳の奥底にある強い魂。 物理的な痛みでは決して倒れることの無い、高潔で美しい命の輝き。 ああ、それこそは時を越え、場所を越えて、人の心を貫いて感銘を与える光ではないか。 既に聴衆は完全にクロード贔屓に傾き、自分はすっかり悪役に成り下がっている。 このことに気付いた時点で、ギーシュは自分の負けを認めるべきだった。 だが、幼さゆえの無知と、貴族としての誇りがそれを許さない。 一方的に攻勢をとっているはずの、貴族である自分が、 やられっぱなしの平民に負けを認める決闘など、あるわけがないじゃないか! 「ハァ、ハァ、ハァ……」 対するクロードはもはや言葉を発することすら出来ず、返ってくるのは荒い息遣いばかり。 俯いた顔からは表情は伺えなかったが、握り締められた左手から意思だけは伝わってくる。 まだ、決闘は終っていない。まだ負けていない、と。 ギーシュは唇を噛む。 どちらかが負けを認めない限り、決闘は終らない。 震える声でワルキューレに命令を下す。 聴衆から非難の声が飛ぶ。 だったらどうしろって言うんだ。 どうすればこの戦いを終らせられるんだよ。 僕にだってわからないんだ。 頭の中を色々な思いがぐるぐると回る。 だから、ギーシュは気付かなかった。 クロードの残された左拳が纏う光に。 何だ、ちゃんと出来たじゃないか。 殆ど塞がった視界の端、吹き飛ばされるワルキューレを見て、クロードは他人事のように思う。 これが本当に最後の最後、自分の全身に残された力を搾り出し、掻き集めて放った流星掌。 青銅の戦乙女は胴を打ち抜かれ、大地へと崩れ落ちていく。 ああ、これで本当に僕は空っぽだ。 もう僕には何も出来ない。 軽く小突かれただけで支えを失い、倒れたらそのまま二度と立ち上がれないだろう。 残ったワルキューレは何体だったっけ。 頭がぐらぐらして、そんな簡単な計算すら解らない。 君の勝ちだ、ギーシュ。 ルイズ、シエスタ、ごめん。 約束、守れなかったよ。 目の前に迫るワルキューレの姿がひどくゆっくりに見える。 ああ、この一撃でこの喧嘩は終る。 ──────えっ? ごめんね、シエスタ。もっと早くこうするべきだったのに。 ごめんね、ギーシュ。貴方の誇りを踏みにじる真似をして。 ごめんね、クロード。これ以上見ていられなかった。 ルイズはクロードの前に立つ。 両手を一杯に広げて、目に涙を一杯に溜めて。 魔法の使えない彼女には、こうする以外に方法は無い。 ルイズは全てを受け入れ、全てを覚悟して目を瞑る。 ギーシュは慌てて薔薇を振り、下僕を制止する。 シエスタは惨劇の予感に、絶叫する。 そのどれよりも、迅く。 「──────燃えろッ!」 パァンッ 肩越しに、光が弾けた。 誰もが目を疑った。 光が晴れた後には、頭と上半身の右半分を失ったワルキューレ。 クロードの左手に構えられているのは、陽光に鈍く輝く見慣れぬ杖────杖なのだろうか? あまりに予想を超えた展開に、時間が止まる。 (何でだろう、体が軽いや) 本格的に死にかけているのだろうか。 右手の感覚はとっくに無くなり、全身の痛みも感じない。 そして何より、不思議なほど手に馴染むフェイズガン。 実際に使うのは初めてのはずなのに、何故か外す気がしない。 目の前にルイズの背中が見えて、咄嗟に抜き放って撃った、さっきの一発でさえ。 どの程度の出力でどの程度の破壊が起こるか、まるで参考VTRでも見ているかのように鮮明に解る。 もう一体のワルキューレに照準を合わせ、引き金を引く。 後ろに聴衆がいるが、躊躇することはない。 大丈夫、この出力ならば周りに被害は出ないはずだ。 果たして、爆風とともにワルキューレの胸に人の頭ほどの風穴が空き、その場に倒れ伏す。 ほら、周りに被害は出ていない、ならば問題は無いな。 ええっと、これで確か7体全部倒したはずだ。 あとは、やるべきことだけはやっておかないと。 フェイル・セイフ・ロック、確認……よし、これでいい。 あ、ルイズじゃないか。 何か言ってるな、答えなきゃ───── 「勝っちまった、平民が貴族に勝っちまったぞ!」 「今のは何だよ!? あんな魔法、見たこと無いぞ!」 「大体、なんで平民が魔法を使えるんだ!?」 まさかまさかの大逆転劇に、ギャラリーが騒ぎ始める。 一部は勝者を称え、或いは逆転の一打となった最後の現象について議論を始める。 それらの輪の中、精神力が尽きてへたり込むギーシュ。 その表情は憑き物が落ちたようで、本来の花を愛する優男のそれに戻っている。 どうしてだろう。決闘に負けたっていうのに、こんなに気持ちが清々しいなんて。 そんなことを考えながら、自分の手を見つめる。 勝っていたのならば、こんな風にすっきりと終らなかっただろう。 きっと、この決闘は負けるべくして負けたのだ。 穏やかな笑み───そう、先ほどの表情からは想像も出来ないほどの穏やかな笑みとともに、 勝者を称えるべくクロードの方へ向き直る。 と、そこには彼の主が誰よりも先に陣取り、けたたましく捲くし立てていた。 ギーシュは苦笑する。やれやれ、落ち着きの無いことだ。 「こンの大馬鹿! あんな魔法が使えるんなら、なんで最初から使わなかったのよ!」 「……違う」 「えっ?」 クロードから発せられた短い否定に、思わずルイズの言葉が詰まる。 腫れあがり、俯いたままのクロードからは殆ど表情が見えない。 今更何を言い出すつもりなのだ、この下僕は。 せ、折角心配してやってるっていうのに。 「これは、魔法じゃ、ない───」 それだけ言い終わると、クロードの左手がだらり、と落ちる。 その手にはしっかりとフェイズガンが握られたまま。 上空に舞う竜が校舎のほうへ向かったようだが、誰もそれに気付かなかった。 「え、ちょっと、どういうことなのよ、それ」 「……」 クロードは、答えない。 「ちょっと、無視すんなっ! 主が聞いてるんだから、ちゃんと答えなさいよ!」 「……」 クロードは、何も言わない。 「ねえ……? 何か言いなさいよ。 クロードってば、ほら!」 「……」 周囲がざわつきはじめるが、ルイズの耳には届かない。 「嘘、嘘よ……ねえ、冗談でしょ? 何か言ってよ。言いなさいよ、クロード!」 「……」 ギーシュの顔からいよいよ生気が消え、シエスタが愕然として膝から崩れ落ちるが、ルイズの目には映らない。 「クロード…………クロードぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!!」 絶叫が、トリステイン魔法学院を震わせた。 前ページ次ページS-O2 星の使い魔
https://w.atwiki.jp/namxcap/pages/193.html
味方キャラ一覧 アーサー アーマーキング 有栖零児 小牟 風間仁 春日野さくら 神月かりん 凱 翔 キャプテンコマンドー キング フェリシア ギルガメス カイ クリノ・サンドラ サビーヌ クロノア ガンツ ケン・マスターズ KOS-MOS シオン M.O.M.O. 島津英雄 水無月響子 シルフィー ジューダス スタン ルーティ 平景清 たろすけ タキ わや姫 春麗 キャミィ デミトリ=マキシモフ トビ・マスヨ 天現時ひろみ トロンにコブン 名無しの超戦士1P 2P 飛竜 フーバー ジェネティー ブルース レジーナ ベラボーマン ワンダーモモ ホリ・タイゾウ マイク・ハガー 三島平八 御剣平四郎 モリガン リリス リュウ レイレイ 鳳鈴 ローズ ロック ロール ワルキューレ 敵キャラ一覧 沙夜 ジョーカー ジャンガ ザベル=ザロック アマゾーナ わや姫 ブラックベラボー ブラックワルキューレ ユーリ ユーニ キャミィ ベガ ロックマン=ジュノ シュトゥルム シュトゥルムJr. ドラック レッドアリーマー・ジョーカー 東風 飛燕 ソロ グランドマスター アスタロト ネビロス 源義経 武蔵坊弁慶 木曽義仲 源頼朝 カムーズ ゾウナ ドルアーガ リリス デビルカズヤ 殺意の波動に目覚めたリュウ 豪鬼 片那 九十九
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/3905.html
前ページ次ページ規格外品0号 第一話「DARK HERO」 ――鈍い音を立てて、青年の体が地面に叩きつけられた。 自分は何をやっているのだろう。 そんな思考が脳裏を掠めた。 周囲に群がる観衆の中に、桃色と黒色の髪を見つけていなければ、 きっと回答を見出すことすらできなかったに違いない。 鋼の巨人に何度も殴られた身体が軋み、悲鳴を上げた。 その悉くを完全に無視し、青年は身を起こす。 負けられない戦いがあるのだ。 ゆっくりと拳を握り締める。 彼は使い魔だった。 ルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールが召還した使い魔。 名前は無い。元より、そういった物を与えられた記憶がない。 ただボンヤリと「0号」と呼ばれていたような気がする。 なのでそう名乗ると、何故か周囲の人々は一斉に囃し立てた。 『ゼロのルイズがゼロを召還した』と。 「……まだ立ち向かう気かい? 諦めが悪いなあ、君は」 唐突に声をかけられ、記憶を振り返っていた彼は一瞬戸惑った。 ワルキューレなる巨人に守られた少年、ギーシュが話しかけてきたのだと気付く。 「しかし幾ら決闘とはいえ、こうも一方的になると些か興ざめだね……」 そう、決闘だ。 その事実を再認識する。 事の始まりは――殺しあうような問題でもなかった筈だが。 ああ、いや、目前の貴族にとってはそうなのだろうか? 彼には良くわからなかった。 そもそも、彼にわかる事など、この世界にどれ程あるだろう。 魔法。 貴族。 学園。 二つの月。 どれもこれも、かつての彼とは全く無縁の存在だ。 ただ……それでも、理解できた事だって、ある。 発端となったのは、今も観衆に紛れて此方を見ている黒髪の娘だ。 ギーシュが彼女を叱り付けている場面に出くわし、彼が割って入った。 あまり難しいことはわからないが、少なくとも真っ当な叱責には見えなかったのだ。 そう、あれは力を持つものによる蹂躙――暴虐だ。 彼もかつて経験したことのある、忌むべき行為。 許せなかった。 それが彼の理解できた、数少ない事象の一つ。 決闘を受ける気になった、理由である。 「……ほら、受け取りたまえ」 そんな事をボンヤリと考えていると、彼の目前に何かが突き立てられていた。 ――武器だ。 細身の剣。斬るよりは突き刺すことを目的とした形状。 情けのつもりだろうか。だとすれば笑ってしまう。 鉄の塊に対して『突き刺せ』とは。 「魔法の使えない平民が、貴族と戦うために鍛え上げた道具さ。 さあ、剣を握ると良い、使い魔君」 彼はギーシュの言葉に従い、その剣を掴む。 そして、刀身の半ばから真っ二つにへし折って見せた。 「…………ッ!」 いくら社会経験の少ない貴族の子息とはいえ、その意図は紛れも無く理解できたろう。 ギリィッと歯軋りをしたギーシュは、口の端から搾り出すようにして罵り声をあげる。 「この……ッ! 出来損ないの、規格外め…ッ!」 ――規格外? 「ああ、そうだとも! 魔法の使えない“ゼロ”に呼び出された使い魔! それも動物ですらない平民だ。 君は紛れも無い規格外の失敗だともッ!!」 桃色の髪の娘が、びくりと肩を震わせるのが遠目にも見えた。 今のは彼への罵倒でありながら、しかしルイズの心にも深く突き刺さったのだ。 或いは自分がもっと優秀なメイジであったなら、彼もこのような目には合わずに済んだかもしれない。 だが。 彼にとっては、そんな罵倒は全く意味を成さなかった。 ――規格外。 その言葉が頭の中で響く。 そう。 そうだ。 何故忘れていたのだろう。否、忘れさせられたのだ。 彼の名前。 0号ではない。 違う呼び名があった。 ――ギーシュは気付かない。 彼の口元が歪に歪んだ事に。 ――0号が、高らかに己の名を叫ぶ。 「ガイバァアァアァァァアァァ……ッ!!」 空間が歪み、そして『ソレ』が現れた。 「……なによ、アレ……ッ!」 ルイズが声を上げた。 それは鎧だった。 大きく後方へと張り出した角。 目の部分は鏡のような細工が施されている。 鎧の隙間には黒い皮膚が覗き、 また胸部はひときわ分厚い装甲で覆われていた。 ただの装飾と言いきってしまうことのできない、腕の突起。 そして何よりも異彩を放つのは、全身に埋め込まれた金属球。 奇妙な意匠の全身鎧。 否。そうではない。 0号を内部に取り込む仕草、かすかな脈動。 そう、あれは紛れもなく――生きている。 「先住魔法だ……! こいつ先住魔法を使ったぞッ!」 理解できない事態に、野次馬気分で見物していた生徒達が悲鳴をあげる。 無理も無い。彼らにとってエルフ――先住魔法の使い手とは、恐怖と同意だ。 そして杖も無しに虚空から鎧を呼び出したこの使い魔は、紛れも無く先住魔術の使い手……ッ! 怯え、竦み、或いは既に逃げ出し、混乱に陥った生徒達の中にあって尚、 辛うじて平静を――感情を表に出さずに――済んだのは、たったの数名。 己の使い魔の力を見極めんとするルイズ。 そして同様に彼女の使い魔を見に来たキュルケ。 それに付き合ったタバサ。 そして誰であろう、ギーシュ・ド・グラモン。その人だった。 「……ッ! よ、よろしい……成程、これならば――僕の剣は必要なかっただろうね。 さあきたまえ、わ、ワルキューレの力を見せてやろう……!」 虚勢。 紛れも無い虚勢。 だが、彼もまた貴族なのだ。 軽薄であり、女たらしであり、情けなく、経験不足であっても。 逃げることだけは、しなかった。 0号が奔る。 ワルキューレが迎え撃つ。 鉄の女神達は拳で攻撃していた先ほどまでとは違い、錬金で生み出された武具を手にしていた。 それに呼応するかのように0号の腕の突起が伸び、周囲にブゥンという羽音のような音が響き出す。 ――剣だ。 「受け止めろ、ワルキューレ!」 ギーシュの判断は的確であった。 惜しむらくは、彼が高周波という概念を知らなかったこと。 超高速で振動する0号の刃は此の世に断ち切れぬものが存在しない。 ワルキューレの剣に食い込み、その分子接合を切断。 そのまま武具ごと女神の胴体を斬って捨てる。 「……ッ! ならば――弓だッ!」 接近戦に持ち込まれては不味い。 咄嗟に距離をとった二体目のワルキューレが、その手に持った弓に、巨大な矢をつがえる。 無論、人に対して使うような代物ではない。“決闘ごっこ”で使う気も、勿論無かった。 だが、ダメだ。 あの0号――あの規格外品に手加減をしては、ダメだ! 鋼の糸が弾ける音がして、凄まじい速度で矢が放たれる。 だが0号は動じない。 まるで睨むことで矢を止められるとでも言うように、その攻撃へと視線を向け―― 閃光が奔った。 次の瞬間、鉄矢は空中で溶解する。 さらに、その延長線上にいたワルキューレが頭部に大穴をあけられ、溶けおちた。 「……なッ!」 有り得ない。 まだ辛うじて、この戦いを見物できていた者達の誰もが言葉を失った。 いくら先住魔法と言えど、あんな代物は見たことも聞いたことがない! 頭部の金属球から熱線―そう表現するよりあるまい!―を放った0号。 しかし、その前には未だ数体のワルキューレが立ちはだかる。 1対1で勝てないのならば、数で攻める。当然の帰結であった。 だが――……やはり0号に躊躇う様子は無い。 「……………………ッ」 キィィィィィィィィィxン、という酷く甲高い、耳に障る音が響きだす。 「な、なによこの音……ッ!」 「う、うるさい……!」 「………」 ルイズ、キュルケ、タバサのみならず、ギーシュすら耳を押さえて蹲る。 そして――異変が起きたのは、この時だった。 0号の前に立ちはだかっていたワルキューレの身体が震えだしたかと思うと……。 ――ピシリ。 一気に全身にひび割れが生まれ、そして――崩れ落ちたのだ。 誰の目、或いは耳にも明らかだった。 信じることはできなかったが、事実は事実である。 この0号と名乗った使い魔の、今の音が、ワルキューレを崩壊に導いた。 否、それだけではない。 0号はたった一人で、鋼鉄の女神を全滅せしめたのだ。 「ま…………まい、ったよ」 感情の無い鏡のような目で睨みつけられ、息も絶え絶え、ギーシュは敗北を認めた。 ――そう、確かにギーシュ・ド・グラモンの言葉は正しかったのだ。 ゼロのルイズは、紛れも無く。 『規格外品』を召還したのだから。 前ページ次ページ規格外品0号
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/5508.html
前ページ次ページ使い魔の炎 粗末な昼食を早めに終えた烈火は、洗濯を手伝ってもらってお礼にシエスタのケーキ配りを手伝うことにした。 烈火がケーキを貴族たちに配っていると、視界の端の方にシエスタがしゃがみこむのが見えた。 ふと、そちらに視線を向けてみる。 「すいません、ポケットからビンが落ちましたよ」 シエスタは、それをテーブルの上に置いた。 「それは僕のじゃない。君は何を言っているんだね?」 金髪の少年が苦々しい顔をしてシエスタの方を見ている。 「おお? その香水はモンモランシーのものではないか?」 「そいつがお前のポケットから落ちたってことは、ギーシュ、お前は今モンモランシーとつきあっている、ということだな?」 一気に騒がしくなるテーブル。 しかし、二人の女の子が次々に表れ、金髪の少年にビンタをはっていくのを見て、烈火は思わず笑ってしまった。 最低!や嘘つき!などの言葉を彼女たちは発していたので、おそらくさっきのやりとりで金髪の浮気がバレてしまったのだろう。 騒動がひと段落し、野次馬たちもひいていく。 金髪は「あのレディたちは、薔薇の存在の意味を理解していないようだ」 と呟いていた。 その言葉に再び吹き出しそうになるのを堪え、烈火がその場を立ち去ろうとしたとき、 「待ちたまえ、君」 金髪の冷たい声が響いた。 「な、なんでしょう?」シエスタが緊張した声で振り返る。 「君が軽率に香水を拾い上げたおかげで、二人のレディの名誉に傷が付いた。どうしてくれるんだね?」 あいつ、何バカなこと言ってやがんだ!? 思わず、烈火は駆け寄ってシエスタをかばった。 「待てよ!この子は全然悪くねえだろ!!」 「君は…ゼロのルイズの使い魔か。やはり、平民に気遣いを求めるのが間違いのようだな。 その子が少し気をまわしてくれれば、二人のレディが傷つかずにすんだ」 「…ふざけんな。全部てめえが浮気したせいだろ!! 自業自得だ」 「そりゃそうだ。ギーシュ、お前が悪い!」 周りから失笑が起きる。 「…ど、どうやら、君は貴族に対する礼儀を知らないようだな」 顔を赤くした金髪の少年が、眉をひくつかせながら呟いた。 「うっせえんだよ!! 浮気がバレた腹いせに立場の弱いやつに八つ当たりするようなやつに礼儀知らず呼ばわりされるほど、俺は腐ってねえ」 烈火は吐き捨てるように言った。 少年はぐぬぬ…とうなった後、 「決闘だ!!礼儀知らずの平民に、貴族自らが礼節を叩き込んでやる!」 と言い放った。 「ヴェストリの広場にて待つ」 そう言い残し、少年は歩きだした。ギャラリーもずらずらと動き出す。 「上等だ。てめえなんかに負ける気がしねえぜ」シエスタが、ぶるぶる震えていた。 「ん、どうした?」 「あ、あなた、殺されちゃう…」 「は?」 「貴族を本気で怒らせたら…」 シエスタはだーっと逃げ出してしまった。 なんだ…貴族ってそんなに強いのか? "錬金"の魔法しか見たことがない烈火は、魔法の真の力を知らなかった。 「あんた、何してんのよ! 見てたわよ!」 騒動を聞きつけ、ルイズがやってきた。 「お、姫。飯食い終わったのか?」 「お、じゃないわよ! なに勝手に決闘なんか約束してんのよ!」 「いや、だって、あれは全然シエスタは悪くないし…」 気まずさを感じて、少し口ごもる烈火。 ルイズはやれやれと肩をすくめた。 「怪我したくなかったら、謝ってきなさい。今なら許してくれるかもしれないわ」 「…ゴメン、姫の命令でも、ここは引けねえ」 「わからずやね…あのね? 絶対に勝てないし、あんたは怪我するわ。 いや、怪我で済んだら運がいいわよ!」 「けど、あいつがやったことはやっぱ許せねえよ」 「…聞いて?メイジに平民は絶対に勝てないの!」 「…」 烈火はしばらく考えたあと、ルイズに向かって頭を下げた。 「ゴメン、姫! やっぱ俺、納得できねえ。 …ヴェストリの広場ってとこまで案内してくれ」 烈火は金髪の取り巻きのひとりに声をかけた。 「こっちだ。平民」 「ああもう! 私を君主とか言っておきながら、勝手なことばっかりするんだから!」 ルイズは、烈火の後を追いかけた。 「諸君! 決闘だ!」 ギーシュと呼ばれていた少年がキザに薔薇の造花をかかげた。歓声があがる。 「ギーシュが決闘するぞ! 相手はルイズの平民だ!」 「だああああ!平民平民うるせえ! 俺は姫の忍、花菱烈火だ!!」 烈火は叫んだ。 ギーシュは腕を振って、歓声にこたえている。 烈火とギーシュは、距離をとってぐっとにらみ合った。 「とりあえず、逃げずに来たことは、誉めてやろうじゃないか」 ギーシュは歌うように言った。 「逃げる必要ねえよ。5秒でブチのめしてやるぜ!」 「さてと、では始めようか」 次の瞬間、烈火は正面からギーシュに突っ込んでいった。 普段、土門や風子といった一般人を遥かに上回る相手とケンカしてきた烈火である。 こんなヤツに、負けるはずがない。一発でのしてやる自信があった。 ギーシュは、突っ込んでくる烈火に対して余裕の笑みを浮かべながら薔薇の花を振った。 すると、甲冑を着た女戦士の人形が五体、出現した。 烈火の動きが止まる。 「なんだこいつら!?」 ギーシュは口元に冷酷な笑みを浮かべた。 「言い忘れいたな。僕は土のメイジ"青銅"のギーシュ。 従って、青銅のゴーレム『ワルキューレ』がお相手するよ」 女戦士のゴーレム5体が、烈火に突っ込んでくる。 「マジかよ…」 ゴーレムが繰り出す攻撃を、紙一重でかわす烈火。 「ちくしょう!! この…野郎!!」 烈火は、自ら花火の部品を改造して作った複数の火薬玉をワルキューレに投げつける。 爆発が起こった。しかし、ワルキューレには傷ひとつついていない。 「全然効いてねえっ!?」 「その程度の爆薬で、僕のワルキューレに傷をつけれると思っているのかい!!」 ギーシュが余裕を持った口調で言う。 ならば、と烈火は再度火薬玉を爆発させる。 「そんな手が通用すると…むっ!?」 ギーシュがうなる。烈火の姿が突然、視界から消えたのだ。 「煙幕か!」 辺りを見回すと、ギーシュの頭上まで烈火が飛び上がっていた。 「これで…どーだっ!!」落下の勢いそのままに、烈火は渾身のパンチをワルキューレの顔面部分に叩き込んだ。 ふらつくワルキューレ。だが、 「かてぇっ! なんつー強度だよ!?」 殴った烈火の方の拳にダメージがいくほど、ギーシュのゴーレムの装甲は堅固だった。 烈火の手が止まるのを確認するやいなや、5体のワルキューレは猛攻を始める。 必死に避ける烈火。 「くそっ…」 何か手を考えないと。このままじゃ、体力を削られてこっちが不利になるだけだ! 一体どうすれば… 「がっ!?」 強烈な痛みに、烈火は思考を中断させられた。 いつの間にか烈火の背後に、六体目のワルキューレが作り出され、その拳が烈火の背中にめり込んでいた。 強烈な不意打ちに、思わず倒れこむ。 しかし、ギーシュは攻撃をやめなかった。 「言ったはずだ。"礼節をたたき込んでやる"と。平民が、貴族を侮辱した罰だ!」 横たわる烈火の体を、ワルキューレが踏みつけ、蹴り上げる。 「がはっ!! ぐっ、ぐあああぁぁぁあ!!」 容赦のない攻撃に、烈火のうめき声が響く。 「なんだよ。もう終わりかい?」 ギーシュが呆れた声で言った。人混みから、ルイズが飛び出してくる。 「ギーシュ!」 「やあルイズ! 悪いな、君の使い魔を少しお借りしているよ!」 ルイズは、よく通る声でギーシュを怒鳴りつけた。 「いい加減にして! 決闘は校則で禁止されているはずよ!」 「禁止されているのは、貴族同士の決闘のみだよ。貴族と平民の決闘は禁止されていない」 ルイズは口ごもってしまう。 「そ、それは、そんなこと今までなかったから…」 「ルイズ、君はこの平民が好きなのかい?」 ギーシュはからかうように言った。 「だ、誰がよ! やめてよね! 自分の使い魔が、みすみす怪我するのを黙って見てられるわけないじゃない!」 そのとき、 「…姫。俺は大丈夫だ。下がっててくれ」 ワルキューレの足から逃れるように、烈火が立ち上がった。 「レッカ!!」 「姫、やっと俺を名前で呼んでくれたな。ありがと…こいよ。お前なんか全然怖くねえ!」 烈火はギーシュをにらみつけた。 「レッカ、やめて!」 ルイズが叫ぶ。 ギーシュの顔から笑みが消えた。 「素直に寝ていればよかったものを…」 殴られ、倒れ、立ち上がる。それが際限なく繰り返された。 再び地面に横たわった烈火の頭部を、ワルキューレが蹴り上げる。 吹っ飛ばされても、烈火はもはやうめき声さえ出せない。 もはやギーシュは、シエスタのことなどとっくに忘れ、烈火を狩ることだけに集中していた。 そろそろとどめを刺そうか…ギーシュがそう考えたとき、 「お願い。もうやめて」 ルイズが、ギーシュの前に立ちふさがった。 「ルイズ、邪魔をしないでくれ。 例え君がその平民の主人だとしても、決闘の邪魔をする権利はない」 「お願い…やめて…このままじゃ、コイツ、本当に死んじゃうわ」 ルイズの目が潤む。 はあ、と呆れたように息をつくギーシュ。 「まったく、この主人にしてこの使い魔ありか。 魔法の才能ゼロのくせに決闘のルールも守らない主人と、礼節をわきまえない下品な平民の使い魔。 お似合いといっちゃお似合いだが、とっとと神聖なこの学院から消えてくれないか」 ルイズはしゃがみこみ、声をあげて泣き始めてしまった。 ギーシュに自分がバカにされたのが悔しかったのではない。 唯一自分の味方をしてくれる使い魔を侮辱され、殺されかけているのに、何もできない無力な自分が悔しかったのだ。 「まあ、僕も非力な平民を殺してしまうほど残酷じゃない。 今なら君が一言謝れば許してやる。 ごめんなさい、とな」 ルイズは、涙も拭わずに立ち上がった。 「…ふざけないで! コイツは、何も悪いことしてないじゃない!! 力がないものを傷つけて…それが本当に貴族なの!? ギーシュ、あなたこそ私の使い魔に、レッカに誤りなさい!!」 ギーシュの表情がさらに険しくなる。 「…ルイズ、君までそんなことを言うのかい? それ以上、僕の邪魔をするのなら、容赦はしないよ」 ギーシュは薔薇の花を振り上げ、呪文を詠唱しようとする。思わずルイズは目を瞑った。 そのとき、 「待てよ」 ゆらり、とルイズの後ろに倒れていた烈火が静かに立ち上がった。 「レッカ…」 へなへなとしゃがみ込むルイズ。 「ごめんな。姫…心配かけてさ。もう泣かないでくれ」 ルイズの肩に手をかけ、烈火は彼女に優しく語りかける。 涙は止まらなかったが、不思議とルイズは安らぎを覚えた。 しかし… 「…アンタ、まさかまだ戦う気なの?」 「すぐに終わらせるから」 「だめ! 絶対だめなんだから! これ以上刃向かったら、ギーシュは容赦しないわ」 ルイズは必死に止めようとする。 「別に、俺のことはいいよ。でもシエスタ…さっきのメイドの子に、あいつがしたことはやっぱ許せねえ。 それになにより…」 烈火は、ボロボロの顔をひきつらせて笑った。 「大切な君主を泣かされて、忍は黙ってられねえんだよ」 「レッカ…」 烈火は、ゆっくりとギーシュの方を振り返った。 「…まだやる気かい? いいかげん、君もあきらめ」 言葉を続けようとして、ギーシュは目を見張った。 目の前の平民がボロボロの体全体から、火のような怒りと闘気を迸らせていたからである。 「リミッター外れちまったぜ…覚悟しろよ、てめえ」 烈火に気圧されたギーシュは、後ずさる。 「…姫に悲しい顔をさせるやつは、絶対に許さねえ」 烈火は右手を握りしめた。 この力のことは、やがて自分が守ると決意した君主の前以外では、例え決闘であろうと人前で使うつもりはなかった。 しかし、その誓いを今、破る。 目の前に現れた、誰よりも優しい君主の涙を拭うために。 指と指を強くこすり合わせる。 摩擦によって生まれた火種は周りの酸素を吸い込み、一瞬にして紅く、大きく、 燃え上った。 まるで、術者の心を写すように。 「いざ、尋常に勝負!」 「バカな!なんだあれは!?」 「火系統の魔法? あいつ、メイジだったのか!?」 「けど、杖もなしに体から直接炎を出すなんて…」 「まさか…先住魔法!?」 ギャラリーがざわめく。 杖なしで体から火をだすなんて、聞いたことがない。 主人であるルイズも、目の前で起きている事態が理解できていない。 決闘の行方を暢気に見ていたキュルケは驚き、隣にいた青い髪の小柄な少女が僅かに目を見張った。 「…魔法を使えるやつがそんなにエラいのか?」 烈火はギーシュに問う。 「こ…コケ脅しだ!! そうに決まっている! 行け、ワルキューレ!!」 身の危険を感じたギーシュは、必死でワルキューレを動かす。 烈火は、突っ込んでくるワルキューレを見据える。 火の形と火力を調整し、一気に二体のワルキューレを灰に変えた。 「う、うわわわわわわああああ!? 僕のワルキューレが!?」 混乱したギーシュは、残りのワルキューレ全てを正面から烈火に向かわせてしまう。 「邪魔だあぁぁぁあ!!!」 烈火は手のひらを前方に突き出し、そこから放出した炎で4体のワルキューレを一気に吹き飛ばした。 「俺の君主を泣かした罪は大きいぜ」 後ずさりしながら逃げようとするギーシュを、烈火はジャンプして追いかけた。 「ひっ!」 半端じゃない跳躍力。烈火はひと跳びでギーシュを射程圏内にとらえた。 「天誅!!」 とどめの右ストレートを、ギーシュの顔面に叩き込む。 ギーシュは吹っ飛び、地面に転がった。 それを烈火はゆっくりと歩いて追いかける。 「続けるか?」 ギーシュはすでに完全に戦意を喪失していた。 「ま、参った」 震えた声で、ギーシュが呟いた。 わああああ、と歓声が巻き起こる。 「あの平民、いったい何者だ!?」 「右手から炎をだしてたぞ!」 「負けた! ギーシュが平民に負けたぞ!」 ギャラリーがざわめく。 そんな騒ぎを、上の空で烈火は聞いていた。 実戦で炎を使うのは初めてだったが、上手くいってよかった。 しかし、そのことよりも烈火には気になることがあった。 炎をだして戦っている間、何だかいつもより体が軽かった気がしたのである。 …まあ、いいか。 めんどくさくなった烈火は、考えることを放棄した。 「おい」 烈火はギーシュに声をかけた。 「な、なんだ?」 恐る恐る返事をするギーシュ。 「あとでシエスタ…さっきのメイドの子と、姫に謝っとけよ」 それだけを告げると、烈火はルイズの方に向かって歩き出した。 残されたギーシュは、 「…僕の、完敗だな」 と呟いた。 体はボロボロだが、烈火の頭は不思議なほどすっきりしていた。 ルイズが駆け寄ってくるのが見える。 良かった、もう泣きやんでる。 謝らなきゃ。姫が泣いたのは、俺が命令を無視して戦ったせいでもあるし。 ああ、助けてくれようとしたお礼も言わなきゃな。 そんなことを考えていると、不意に足がふらついた。 あれ、急に体が…重… 烈火は、再び地面に倒れこんだ。 前ページ次ページ使い魔の炎
https://w.atwiki.jp/m3only2nd/pages/12.html
GAME GM FW OPTION NOTE ナナシノゲエム 36a 36 ForceR/W,Trim,DRM*4 arm7(ポケモンレンジャー)7421a 01 20 70 47→ 00 20 00 00 ドラゴンクエストⅤ 36a 36 シドとチョコボの不思議なダンジョン 時忘れの迷宮DS+ 36a 36
https://w.atwiki.jp/anozero/pages/440.html
「行けっ! ワルキューレ!」 主の出した命令によって青銅のゴーレムが勢い良く向かってくる。 だが、遅い。この程度の速さ、魔界にいた強者たちの足元にも及ばない。 思いっきり地面を蹴り大きく横に跳び躱す。――はずだった。 「何ッ!?」 思いっきり跳んだはずが予想よりも距離が短い。 予想外のことに硬直してしまった。 その隙を見逃してもらえるはずもなくワルキューレに殴り飛ばされる。 「ぐうっ……!」 何とか腕でガードしたもののダメージは大きい。 なぜ躱せなかったのか。理由はすぐに分かった。今の自分がレベル1だからだ。 魔力の低下に気をとられすぎて身体能力にまで考えが回らなかった。 思わず自嘲の笑みが零れる。今のは敵を侮り、能力に驕っていた自分に対する罰だ。 もうそんなことはない。全力でやつをねじ伏せる。 だが状況はかなり不利だ。恐らく正攻法では勝てないだろう。 ならばどうする? おとなしく降参でもするのか? ありえない。こんなやつ相手に負けを認めるなど。 どんなに不利だろうと負ける訳にはいかないのだ。 いつかやってくるかもしれない、自分を打ち倒す勇者以外には負けてはやれないのだ。 それが、魔王の宿命なのだから。 「おやおや、どうしたのかな使い魔君。最初の威勢はどこにいったのかな?」 「……フン。貴様をどうブチのめしてやるか考えていただけだ」 「おお恐い恐い。全く、野蛮だね君は。そんな君には躾が必要だな! ワルキューレ!」 再びワルキューレが殴りかかってくる。 大きく躱すのは難しい。だから、最少の動きで躱す。 身を捩ることでワルキューレの攻撃を紙一重で躱していく。 「くそっ、なぜ当たらない!」 いつまでも当たらない攻撃に痺れを切らしたのか徐々に攻撃が大振りになっていく。 そしてワルキューレが大きく振りかぶったとき―― 「うおおおおおお!!」 脇をすり抜けて本体であるギーシュに向かう。 そして、魔力を練り上げ何とか使えるであろう魔法を撃つ。 「――ファイア!」 手の平から放たれた火球にギーシュは驚愕の表情を浮かべている。 勝った! だが、ギーシュは咄嗟に杖を振るった。 「何だと!?」 すると、驚くことにもう一体のワルキューレがギーシュの目の前に現われた。 火球はギーシュに当たらず、ワルキューレを燃やすだけに終わってしまった。 ワルキューレは一体だけでは無かったのだ。その事実に思わず歯噛みしてしまう。 油断は危険な事態を招く。数多の戦いを乗り越え、知っていたはずなのに。 常に注意深く相手を観察する。戦いの基本だ。だが、強くなりすぎたことでそんな基本すらも忘れていた。 弱くなってしまった今、それは致命的なことだった。 自分の油断を心の中で叱責していたのだが、ふと気付く。 何やら周囲の様子がおかしい。 ギャラリー達は驚愕の表情でこちらを見ているし、ギーシュはなぜか腰を抜かして怯えた表情をしている。 こちらの動きが止まっているにも関わらず、攻撃してこない。 不思議に思っていると、ギーシュがかちかちと歯を鳴らしながら口を開く。 「き、き、君は、ま、まさか、エルフ、なのか?」 エルフ。聞き覚えはあった。確か人間界に伝わる亜人で、空想上の存在。 なぜ自分のことをエルフと勘違いしたのかは分からないが 雰囲気から察するにどうやらこの世界ではエルフは畏怖の対象であるらしい。 ……これならいけるかもしれない。 「エルフ、か。 そうだと言ったら……どうする?」 不敵な笑みを浮かべながら言う。 ギーシュはヒッ、という情けない声をあげてへたり込んでいる。 「貴様を消し炭にしてやってもいいんだぞ?」 威圧感たっぷりに言ってみせる。 「う、うわああああああ! ワルキューレェェェェ!」 恐怖により錯乱したのかギーシュは叫びながらワルキューレを造り出す。 その数六体。 心の中で舌打ちする。脅してあわよくば降参してもらおうと思ったのだがそれが裏目に出てしまった。 一体ですら苦戦していたのだ。六体では勝ち目は無いに等しい。 ファイアも撃ててあと二発。ギーシュ本体を狙うのも難しい。 どうする……? 「ワルキューレ! そいつを倒せぇぇぇぇ!」 考えている暇はない。やれるだけやってみるしかない。 「ハァァァァァァ!!」 わざと分かりやすい様に魔力を練る。 その様子にまたもギーシュは情けない声をあげ、ワルキューレ達の動きを止めてしまう。 そして、ラハールの“魔法”が完成する。 それは、まるで太陽だった。 そう思ってしまうほどに巨大な炎の玉。それがラハールの掲げた手の上で揺らいでいた。 「あ…ああ……」 その威圧感にギーシュは杖を落としてしまう。それによりワルキューレ達も消えてしまった。 ギャラリー達も恐慌状態に陥り我先にと逃げ出していた。 「どうだ? 降参するか?」 「あ、ああ!する!降参するとも!だ、だから許してくれ……」 「それだけではつまらんな」 そう言って手をギーシュの方に向ける。 「な、何でもする!だから見逃してくれぇ!」 もはや恥も外聞もなく許しを請う。 「何でもだな?」 「ああ、だから……」 「いいだろう」 ラハールの手から炎が消えた。それを見てギーシュはようやく安堵の息を洩らした。 「さて、何でもするんだったな?」 その言葉にギーシュが固まる。 「な、何をすればいいんだい……?」 恐る恐るといった感じで聞く。 「そうだなあ…… そういえばお前、さっきオレのことを野蛮だとか抜かしていたなあ?」 ギーシュは青ざめた顔でラハールに懇願する。 「あ、謝る!謝るから命だけは……」 「よし。決めた」 ごくり、と唾を飲んだ。自分はどうなるのだろう……? 「お前、オレ様の家来になれ」 「ああ、わかっ……はあ?」 諦めた表情で適当に返事をしようとしていたギーシュは ラハールの言葉を理解するのに時間がかかった。 「なんだ? 不服か?」 「いや、そんなことは…… てっきり小指の一本でも差し出せとでも言われるのかと……」 「……オレをなんだと思ってるんだ。 まあいい。お前は今からオレ様の家来だ。オレ様の命令にはかならず従うのだぞ」 それだけ言うとラハールは意気揚揚とルイズの元に向かっていった。 一人になったギーシュはしばらく呆然としていたが、突然思い出したかのように笑いだした。 「は、ははは、ははははははは…… 生きてる、よかった~」 安心からかまたもへたり込んでしまう。それからしばらく一人で笑っていた。 だが、家来になると言ったことをひどく後悔するようになるのは、もう少し後の話だ。 ところかわって学院長室。 決闘の一部始終を見ていたオスマンとコルベールは互いに無言だった。 「……オールド・オスマン」 そんななか、コルベールが口を開く。 「……なんじゃ」 「これが……伝説のガンダールヴの力ですか… いや、それもありますが彼は一体何者なのでしょうか……」 「今はまだ分からん。決め付けるには早すぎる」 「ですが!!」 「落ち着かんか!この馬鹿者が!!」 興奮気味のコルベールをオスマンは叱り付ける。 「……申し訳ありません、オールド・オスマン」 無理矢理興奮を治められたコルベールはどこか不満な様子で謝辞を述べた。 「ミスタ・コルベール。興奮するのはよく分かる。おぬしの探求心はワシもよく認めておるよ。 じゃがな、まだ分からんことが多い今、決め付けてかかるのは危険じゃ。分かるな?」 先程の怒声とは打って変わって穏やかな口調で言う。 「……はい。ですが、あの力は危険です。放っておくには大きすぎる力です」 何かしら思うところがあるのか苦い顔でコルベールが言う。 「分かっておる。放っておくつもりはない」 「では……?」 「ミスタ・コルベール。おぬしに彼の者の監視を命ずる。 異変があればすぐに知らせよ。よいな?」 「…分かりました、オールド・オスマン」 「うむ。くれぐれも先走るようなことはしてくれるでないぞ?」 強い口調で威圧するように“警告”する。 「……分かっております。では私はこれで」 コルベールが退室したあとに、オスマンは愚痴るようにつぶやく。 「面倒事は嫌いなんじゃがのう……やれやれ」 再びヴェストリの広場に戻る 逃げていたギャラリー達がわらわらと戻ってくる中 ルイズは呆けていた。ラハールが押されていると思ったらなんとラハールが先住魔法を使ったのだ。 しかもそのあとには見たこともない様な巨大な炎まで出してみせた。 余りに理解を超えた出来事に反応すらできなかった。 そして原因のラハールはといえば自慢げにこっちに向かって来ている。 自分のなかの何かが音を立てて切れそうだった。 「おいルイズ、何を間抜けな顔をしているのだ? 勝ったぞ」 その言葉に我慢していた何かがブチ切れた。 「こ・の・馬鹿犬ーーーっ!!」 渾身の右ストレートを顔面に叩き込む。 ぶぴゃ、とか言いながらラハールが吹っ飛んでいったがまだブチ切れた何かは治まらない。 「あんた、何で、魔法使えるの黙ってたのよーーー!!」 マウントポジションで顔面を連続で殴る。 「ていうか、最後のアレ、あんなの使ったら私まで死んじゃうじゃないのーーー!!!」 ジャイアントスイングで思いっきり壁に向かって投げ飛ばす。 「む・か・つ・くーーーー!!!」 よろよろと立ち上がりかけたところにシャイニング・ウィザードを決めた。 「ふぅ、疲れた」 ようやく治まったのか満足そうに額の汗を拭った。 それを見ていたギャラリーはどん引きだった。 「死ぬかと思ったぞ……」 「それなりに加減したんだから死ぬわけないでしょ」 ラハールが恨めしそうな目で見てきたが無視した。 「……で、何でアンタが先住魔法なんか使えるのよ」 「先住魔法? なんだそれは?」 「……杖なしでも使える魔法のことよ。普通は杖がなきゃ魔法は使えないわ」 「この世界の魔法は本当に不便だな」 「うるっさいわね。余計なお世話よ。それで? なんで使えるのよ。早く答えなさい」 「……魔の法と書いて魔法だぞ? 悪魔がそれを使わんでどうする」 ……悪魔、か。今までなら疑ってたけどさっきのを見た以上そうもいかない。 エルフである可能性も高いけどなんとなくそれは違う気がする。 何にせよ考えても分からないしこれは保留だ。 「……それならそれでいいわ。じゃあ次。 最後のアレ、ギーシュが降参しなかったら本当に使う気だったの?」 下手したら自分も巻き込まれていたのだ。もし使う気だったなら……しっかりと躾けなければならない。 「ああ、アレか。アレは実際に使ったとしてもたいした威力はない」 「は?」 「アレはファイアを無理矢理膨らませただけだからな。 中身はほぼ空洞だしおそらく手から離れた途端にしぼんで消えただろうな」 「ようするに?」 「ただのハッタリだ」 思わず深いため息がでた。「失敗したらどうするつもりだったのよ?」 「そのときはそのときでどうにかしただろうな」 またため息。 「なんだそのため息は」 「……ちょっと呆れてただけよ」
https://w.atwiki.jp/keroro00innovator/pages/3058.html
ケロテレビランキング アルバム週間ログ/2016年/10月 ケロテレビランキング アルバム週間ログ/2016年/10月週間売上10月第1週(10月11日付) 10月第2週(10月18日付) 10月第3週(10月25日付) 10月第4週(11月1日付) デイリー推移10月第1週(10月4日~10月10日) 10月第2週(10月11日~10月17日) 10月第3週(10月18日~10月24日) 10月第4週(10月25日~10月31日) ←2016年9月 | シングル | 2016年11月→ 週間売上 10月第1週(10月11日付) 順位 変動 CD名 アーティスト タイアップ 発売 推定売上 推定累計 1 新 infinite synthesis 3 fripSide - 10/5 18436 18436 2 → 君の名は。 RADWIMPS 君の名は。 主題歌 8/24 17697 263489 3 ↓ Walkure Trap! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 9/28 8291 64034 4 ↓ daydream Aimer - 9/21 5085 55656 5 新 文豪ストレイドッグス キャラクターソングミニアルバム 其ノ参 芥川龍之介(小野賢章)ほか 文豪ストレイドッグス キャラソン 10/5 3367 3367 6 新 WHITE PLACE 綾野ましろ - 10/5 2746 2746 7 新 HEART 佐藤拓也 - 10/5 1972 1972 8 ↑ Walkure Attack! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 7/6 855 121875 9 新 PERSORA -THE GOLDEN BEST 3- - ペルソナ 10/5 677 677 10 ↓ Music Memories - 暗殺教室 9/28 673 3221 10月第2週(10月18日付) 順位 変動 CD名 アーティスト タイアップ 発売 推定売上 推定累計 1 ↑ 君の名は。 RADWIMPS 君の名は。 主題歌 8/24 17091 280580 2 ↑ Walkure Trap! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 9/28 4041 68075 3 新 WORLD IS MINE(WONDERLAND) RADIO FISH カミワザ・ワンダ ED 10/12 3925 3925 4 → daydream Aimer - 9/21 3387 59043 5 ↓ infinite synthesis 3 fripSide - 10/5 3089 21525 6 新 きみのヒロインになりたくて みみめめMIMI - 10/12 2138 2138 7 新 ザ・ラジレンジャーズ 鈴村健一&神谷浩史 - 10/12 1616 1616 8 新 SERVAMP-サーヴァンプ- キャラクターソング - SERVAMP-サーヴァンプ- キャラソン 10/12 1496 1496 9 ↓ Walkure Attack! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 7/6 754 122629 10 ↓ 文豪ストレイドッグス キャラクターソングミニアルバム 其ノ参 芥川龍之介(小野賢章)ほか 文豪ストレイドッグス キャラソン 10/5 620 3987 10月第3週(10月25日付) 順位 変動 CD名 アーティスト タイアップ 発売 推定売上 推定累計 1 新 BEST -E- 藍井エイル - 10/19 20497 20497 2 新 BEST -A- 藍井エイル - 10/19 20373 20373 3 ↓ 君の名は。 RADWIMPS 君の名は。 主題歌 8/24 13603 294183 4 ↓ Walkure Trap! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 9/28 2417 70492 5 ↓ daydream Aimer - 9/21 2231 61274 6 新 スペースエコー nano.RIPE - 10/19 1415 1415 7 ↓ infinite synthesis 3 fripSide - 10/5 1252 22777 8 ↓ WORLD IS MINE(WONDERLAND) RADIO FISH カミワザ・ワンダ ED 10/12 1205 5130 9 新 THE BEST of ETOTAMAX - えとたま 10/19 765 765 10 ↓ Walkure Attack! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 7/6 539 123168 10月第4週(11月1日付) 順位 変動 CD名 アーティスト タイアップ 発売 推定売上 推定累計 1 ↑ 君の名は。 RADWIMPS 君の名は。 主題歌 8/24 10917 305100 2 新 機動戦士ガンダムUC RE 0096 COMPLETE BEST - 機動戦士ガンダムUC RE 0096 10/26 10839 10839 3 新 ポケットモンスターXY&Z キャラソンプロジェクト集 - ポケットモンスターXY Z キャラソン 10/26 6411 6411 4 新 バースデーコレクション - 夢色キャスト キャラソン 10/26 6381 6381 5 ↓ BEST -A- 藍井エイル - 10/19 5814 26187 6 ↓ BEST -E- 藍井エイル - 10/19 5760 26257 7 新 Happiece 岡本信彦 - 10/26 4811 4811 8 新 TRICK TRUSTRICK - 10/26 3308 3308 9 ↓ daydream Aimer - 9/21 1677 62951 10 ↓ Walkure Trap! ワルキューレ マクロスΔ 劇中歌 9/28 1561 72053 11 新 BELIEVER-祈り- QUELL Solids 10/28 1387 1387 12 新 planetarian Original SoundTrack - planetarian ~ちいさなほしのゆめ~ 10/26 1322 1322 13 新 Next One(怒りをくれよ) GLIM SPANKY ONE PIECE FILM GOLD 主題歌 7/20 929 18382 14 ↓ infinite synthesis 3 fripSide - 10/5 893 23670 15 新 Re ゼロから始める異世界生活 サウンドトラックCD - Re ゼロから始める異世界生活 10/26 831 831 デイリー推移 10月第1週(10月4日~10月10日) CD名 デイリー順位 10/4 10/5 10/6 10/7 10/8 10/9 10/10 infinite synthesis 3 1 1(4606) 2 2 2 2 君の名は。 1(2539) 2 2 1(2075) 1 1(2926) 1(3490) Walkure Trap! 2 3 3 3 3 3 3 daydream 3 7 5 4 4 4 4 文豪ストレイドッグス キャラクターソングミニアルバム 其ノ参 6 4 5 5 5 5 WHITE PLACE 5 7 6 6 6 HEART 7 6 7 7 7 Walkure Attack! 5 8 8 PERSORA -THE GOLDEN BEST 3- 8 Music Memories 6 10月第2週(10月11日~10月17日) CD名 デイリー順位 10/11 10/12 10/13 10/14 10/15 10/16 10/17 君の名は。 1(4192) 1 1 1 1(1511) 1(2750) 1(3498) Walkure Trap! 2 5 3 3 2 2 2 WORLD IS MINE(WONDERLAND) 2 2 2 3 4 5 daydream 4 7 4 5 4 3 3 infinite synthesis 3 3 6 6 6 5 5 4 きみのヒロインになりたくて 3 7 4 7 7 ザ・ラジレンジャーズ 3 8 7 8 9 SERVAMP-サーヴァンプ- キャラクターソング 8 5 8 6 6 Walkure Attack! 7 9 9 8 文豪ストレイドッグス キャラクターソングミニアルバム 其ノ参 5 8 10月第3週(10月18日~10月24日) CD名 デイリー順位 10/18 10/19 10/20 10/21 10/22 10/23 10/24 BEST -E- 1(8876) 1(4368) 1(2067) 2 2(1866) 2 BEST -A- 2(8853) 2(4334) 2(2022) 1(1527) 3 3 君の名は。 1(1852) 3 3 3 3 1(2072) 1(3085) Walkure Trap! 2 5 5 4 4 4 4 daydream 3 7 6 5 5 5 5 スペースエコー 4 4 7 8 7 infinite synthesis 3 5 8 8 6 6 6 6 WORLD IS MINE(WONDERLAND) 4 9 8 7 6 THE BEST of ETOTAMAX 6 7 Walkure Attack! 7 10月第4週(10月25日~10月31日) CD名 デイリー順位 10/25 10/26 10/27 10/28 10/29 10/30 10/31 君の名は。 1(1475) 5 5 2 1 1 1 機動戦士ガンダムUC RE 0096 COMPLETE BEST 1 1 1 4 2 5 ポケットモンスターXY&Z キャラソンプロジェクト集 4 4 8 6 8 2 バースデーコレクション 3 3 5 5 5 7 BEST -A- 3 7 8 3 2 4 3 BEST -E- 2 8 7 4 3 3 4 Happiece 2 2 7 TRICK 6 6 9 10 7 6 daydream 5 11 10 8 9 8 Walkure Trap! 4 12 10 8 10 9 BELIEVER-祈り- 6 7 6 planetarian Original SoundTrack 10 9 11 11 infinite synthesis 3 6 Re ゼロから始める異世界生活 サウンドトラックCD 11 13 Next One(怒りをくれよ) 9 14 ←2016年9月 | シングル | 2016年11月→ 週間 | 週間ログ | 月間
https://w.atwiki.jp/apahama/pages/53.html
445 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 13 27 52 ID b0seC6Qt0 藤沢「ええい!せっかくメカラドラーダに改造してやったと言うのに…!」 ラドラーダ「…」 藤沢「なんだ!この平凡なタイムは!」 ラドラーダ「…」 藤沢「ふん!」 宏司「ラドラーダ…」 ラドラーダ「宏司…私、欠陥品なのかな…」 宏司「そんなことねえって」 ラドラーダ「欠陥品…なのかな…私……」 第12話「恋人たちのヴィクトリアマイル」 449 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 14 01 17 ID b0seC6Qt0 武市「おーい、枠順出たよー!」 1枠1番 リビアーモ 中舘英二 1枠2番 ヒカルアマランサス 福永祐一 2枠3番 オウケンサクラ 後藤浩輝 2枠4番 ラドラーダ 北村宏司 3枠5番 アパパネ 浜中俊 3枠6番 サンテミリオン 柴田善臣 4枠7番 ワルキューレ 国分優作 4枠8番 レッドディザイア 大江原圭 5枠9番 ベストロケーション 三浦皇成 5枠10番 ヤマニンエマイユ 伊藤工真 6枠11番 ブロードストリート 藤田伸二 6枠12番 シングライクバード 四位洋文 7枠13番 リトルアマポーラ C.ルメール 7枠14番 コロンバスサークル 小島太一 7枠15番 ユメノキズナ 石橋脩 8枠16番 アプリコットフィズ 武豊 8枠17番 ミオリチャン 丸田恭介 8枠18番 ブエナビスタ 横山典弘 ミオリチャン「ゲーッ…色んな意味で嫌な枠……」 ユメノキズナ「あれ?私も出れるの?」 450 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 14 09 22 ID b0seC6Qt0 ~小島厩舎~ 太一「親父!コロンバスのメンコにあずにゃん描いてみた!」 豊「勝手にそんなことしていいのかよ…」 太「ばか者!」 豊「叱ってやってください、先生」 太「唯にゃんも描かんか!」 太一「やべぇ忘れてた!」 豊「…」 コロンバス「わ、私で遊ばないでくださ~い」 アプリ(鞍上が太一じゃなくて本当に良かったわ…) 豊「そうだろ、やっぱ俺が一番だろ」 アプリ「心読まないでよ」 451 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 14 18 40 ID b0seC6Qt0 太一「親父!コロンバスの馬体に御坂美琴と白井黒子描いてみた!」 太「佐天涙子ちゃんも描かんか!」 コロンバス「私の体に落書きしないでくださよ~」 幸四郎「すげぇ!痛車ならぬ痛馬や!!」 コロンバス「私が痛い娘みたいじゃないですか~!嫌ですぅ~!」 アプリ(5歳にもなってそのキャラの方が痛いですよ、先輩…) 豊「おいコロンバスの悪口言うな」 アプリ「だから心読まないでよ」 453 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 14 43 32 ID b0seC6Qt0 ~浜中厩舎~ 浜中「メンツを見る限り、アパパネが有利だな」 和生「対抗馬はブエナビスタぐらいですかね」 ディザイア「ちょっと!何で私の鞍上が大江原なのよ!」 大江原「本当は嬉しいくせに」 ディザイア「嬉しくないわよ!」 アパパネ「ま、私と俊きゅんの圧勝ね!見てなさいよブエナ!」 454 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 14 50 34 ID b0seC6Qt0 ~国枝厩舎~ 優作「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 国枝「なんだなんだ?」 ソニック「うるさいな~」 優作「い、今顔を洗ってたんですけど…」ガクガクブルブル 国枝「?」 優作「か、顔を上げて鏡を見たら…いたんですよ…」ガクガクブルブル ソニック「何が?」 優作「馬が…」 国枝「ははっ寝ぼけてたんだろ」 優作「ち、違います!あれは絶対幽霊かなんかですよ!」 国枝「まぁお前の存在がすでに幽霊みたいなもんだしな」 優作「ほっといて下さいよ!」 国枝「それより、早く秋山くんのところに行きなさい」 優作「いけねっ」 458 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 16 35 21 ID b0seC6Qt0 ~秋山厩舎~ 優作「えっ、ワルキューレが消えた…?」 秋山「うん。随分前から姿が消えたんだ」 ワルキューレ「やだなぁ…私ならここにいますよ…」 秋山「あれ?」 優作「なんだ。いるじゃないですか」 秋山「あれ~?」 ワルキューレ「が、がんばろうね…優作くん…」 優作「おう!」 459 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 16 42 33 ID b0seC6Qt0 ~藤沢厩舎~ ラドラーダ「こんな姿に改造されて…私…」 宏司「…ラドラーダ」 ラドラーダ「こんなんじゃ…勝てない…どうせペルーサの二の舞よ」 宏司「…世の中には利用する奴と、される奴がいる」 ラドラーダ「そうね…私は利用される惨めな女」 宏司「そうじゃない。藤沢先生がお前を利用するってんなら、 お前はそれを逆に利用してやればいい」 ラドラーダ「利用…する…?」 宏司「勝ちに行くぞ…ラドラーダ」 ラドラーダ「うん!」 460 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 16 51 14 ID b0seC6Qt0 ~武市厩舎~ ミオリチャン「はぁ…。オッズが出たのはいいけど、シンガリ人気か…」 武市「このメンツなら仕方あるまい」 ユメノキズナ「そ、そうですよ…私も17番人気ですし」 丸田「…ミオリチャン、18番人気だって別にいいだろ」 ミオリチャン「無責任な…」 丸田「そこから這い上がってやりゃあいい。そして皆を、見返してやろうぜ!」 ミオリチャン「…そうね」 465 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 17 35 07 ID b0seC6Qt0 ~当日・本馬場入場~ 三宅「さぁ今日は女たちの火花散る戦い、ヴィクトリアマイル!」 三宅「1枠1番はリビアーモ!鞍上の中舘英二と勝利の乾杯を!」 三宅「その末脚にすべてを賭ける!ヒカルアマランサスと福永祐一!」 三宅「少し遅めの開花前線!打倒アパパネに燃えるオウケンサクラ! 鞍上はなぜかタイガーマスクを被っている後藤浩輝!」 後藤「虎だ!我は虎になるのだ!」 三宅「そうですか。がんばってください」 三宅「2枠4番はラドラーダ、ペルーサと同じくメカに改造されています! 操縦するパイロットは北村宏司!」 三宅「そして1番人気アパパネ!鞍上は旦那の浜中俊!夫婦で挑みます!」 466 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 17 43 41 ID b0seC6Qt0 三宅「相談役こと柴田善臣が悩みに悩んだ末選んだ馬は彼女だった! 3枠6番はもう一頭のオークス馬、サンテミリオン!」 三宅「行方不明中と噂されていたワルキューレですが、彼女は今日も元気です! 鞍上は…えっと…ん?あれ?」 優作「いい加減覚えろ!」 三宅「2年前の秋華賞から再び輝きを取り戻すために! 4枠8番はレッドディザイアと大江原圭!」 三宅「ベストロケーション三浦」 三宅「公務員騎乗ならぬ工務店騎乗でハンマー攻撃炸裂! ヤマニンエマイユと伊藤工真!」 三宅「中年ヤンキー藤田伸二はブロードストリートで逆襲を狙います!」 三宅「藤田伸二の子分・四位洋文!シングライクバードは勝利の唄をさえずる事ができるのか!」 469 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 18 10 04 ID b0seC6Qt0 三宅「小さなつぼみが花開くとき!リトルアマポーラとクリストフ・ルメール!」 三宅「馬体になぜかアニメキャラを描かれての登場、コロンバスサークル! 恐らく、鞍上の小島太一のせいだと思われます!」 太一「注目の的だぜ!」 コロンバス「ひぃ~ん、恥ずかしいですぅ~!」 三宅「7枠15番はユメノキズナ!東のイケメン・石橋脩のエスコートです!」 三宅「皆のアイドルが競馬に帰ってきた! アプリコットフィズと武豊!」 三宅「芦毛の馬体はミオリチャン!中山牝馬Sと同じく丸田恭介とのコンビです!」 三宅「そして最後18番は、有馬での屈辱を晴らすブエナビスタ!鞍上は横山典弘!」 470 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 18 57 03 ID b0seC6Qt0 三宅「さぁゲートが開いて今一斉にスタート!」 三宅「まず行ったのはワルキューレと国分優作!」 ラドラーダ「行かせないよ!」 三宅「メカラドラーダも負けじとワルキューレにつっかかる!」 ワルキューレ「そろそろ私も本気を出すか…」 ワルキューレ「ヴァルハラよ!我にラグナロクの槍を!」 シャキン! ラドラーダ「ふふっ甘いね!ラドラーダブレェェェド!」 ジャキン! 三宅「うおお!ワルキューレとラドラーダの息詰まる剣の戦い!!」 472 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 03 39 ID b0seC6Qt0 三浦「今だ!三浦スペシャ…」 工真「駄目だ!これ以上落馬は出させん!くらえっ工務店ハンマー!」 シュルシュルシュル ガンッ 三浦「いてぇ!」 三宅「おっとここで三浦脱落」 大江原「ディザイア!炎の翼だ!」 ディザイア「ったくしょうがないわねぇ…」ボワッ 大江原「くらえ!大江原アトミックファイヤー!!」 エマイユ「熱っ」 工真「ぎゃあ!」 三宅「これは、いつもながらにカオスだ!」 473 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 08 08 ID b0seC6Qt0 ~後方集団~ キズナ「脩さん…怖いです」 脩「俺にすべてを委ねろキズナちゃん!」 キズナ「脩さん…!」 アパパネ「あっちゃ~。前の方は凄いことになってるわね…」 浜中「ああ。ここは抑えて正解だったな…」 豊「これを予期して俺はわざと抑えたんだぜ?」 アプリ(ただの溜め殺しのくせに…) 474 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 16 17 ID b0seC6Qt0 ブエナビスタ「ミオリン、一緒に走ろうよ!」 ミオリチャン「いや…まあ別にいいけどさ…」 アプリ「駄目です!ミオリンは私と一緒に走るんですから!」 三宅「なんか後ろの方では3頭が異常なぐらいくっついてるぞー!」 ミオリチャン「ちょ、ちょっと、狭苦しいっつの!」 丸田「なんすかこれ!先輩二人して嫌がらせですか!?」 典弘「お、俺のせいじゃない!本当だ信じてくれ!」 豊「俺も別に嫌がらせのつもりはないぞ!」 丸田「二人して俺のことバカにしてるでしょ!」 典弘「してないって~!」 475 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 20 30 ID b0seC6Qt0 ワルキューレ(私は優作くんのために…勝つ!) ワルキューレ「うおらぁ!!」 ガキンッ プシュー ブスブス… ラドラーダ「こ、故障した!?」 宏司「ラドラーダ…」 アパパネ「前の方が落ち着いてきたみたいね」 浜中「んじゃ、そろそろ仕掛けるか」 アパパネ「それじゃあブエナ、お先に」 ブエナビスタ「あっ!待ちなさい!」 ミオリチャン「ふぅ…」 476 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 44 31 ID b0seC6Qt0 ラドラーダ「ああ…そっか…やっぱり私は…欠陥品…だったんだね……」 宏司「まだ終わってねぇ!」 ラドラーダ「えっ…」 コロンバス「ひえ~、みんな速いでしゅ~」 太一「コロンバス、そろそろお遊びは終わりにしよう」 コロンバス「………そうね」 477 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 46 29 ID b0seC6Qt0 ミオリチャン「アパパネもブエナも、あっという間にあんな遠くに…」 ミオリチャン「やっぱり敵わないよ…みんなには…」 丸田「ミオリチャン、俺を見てくれ」 ミオリチャン「?」 丸田「俺の目の中には、今何が映ってる?」 ミオリチャン「何って…ヒィヒィ言いながらシンガリを走る無様な私だよ…」 丸田「そんなもん、映ってねぇよ!」 ミオリチャン「恭介…?」 丸田「俺の目に映ってるのは、今ここにいる誰よりも一生懸命走ってるミオリチャンだ!」 ミオリチャン「!」 丸田「自信持って行こうぜ」 ミオリチャン「…わかった!」 478 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 49 03 ID b0seC6Qt0 ブエナビスタ「うぉぉぉ!」 アパパネ「負けるかぁぁぁ!」 三宅「ブエナビスタとアパパネが揃って猛追!」 ワルキューレ「来たわね…でも私だって、負けるわけにはいかないんだから!」 三宅「さぁ最後の直線!先頭はまだワルキューレだ!」 479 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 19 58 18 ID b0seC6Qt0 宏司「ラドラーダ、お前は欠陥品なんかじゃない!うちの厩舎のマドンナだ!」 ラドラーダ「宏司メン…!」 ラドラーダ「私は…欠陥品なんかじゃ……ない!」 太一「それでは皆様、ご注目ください…」 コロンバス「これから最高のショータイムを見せてあげる…フフッ」 ミオリチャン(私はもう負け犬なんかじゃない!) ブエナ『約束して、夢の最後まで走り続けるって』 ミオリチャン(わかってるよ…) ブエナ『そして、その先を私に見せて』 ミオリチャン(見せてやるよ…) 丸田(俺はもうあきらめない…) 善臣『何度倒れても立ち上がれることが、本当の強さだ』 丸田(何度だって立ち上がってやる!強くなってやるよ!) 483 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 07 35 ID b0seC6Qt0 ラドラーダ「私は…欠陥品なんかじゃないんだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 ウィーン ガシャンッ ガシャン ガシャン ガシャン ガシャーーーン 藤沢「こ、これは…!」 三宅「ラドラーダが変形した!?」 ラドラーダ「戦闘機フォーム・チェンジ!!」 宏司「俺たちは音速を越えて行く!この鋼の翼で!!」 三宅「こ、これは凄い!凄い速さだ!!」 コロンバス「うおおおおお!!」 三宅「!!」 太一「これが俺たちの必殺技…『とある競馬の超電磁砲(レールガン)』だ!」 コロンバス「これが私の、本気だあぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」バチバチッ 三宅「コロンバスサークルが放電しながら突っ込んできたぁぁぁぁぁ!!」 太「太一…コロンバス…完成させていたのか!」 藤沢「私は…私は間違っていたのか…?」 484 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 13 22 ID b0seC6Qt0 アパパネ「な、何なの!?」 ブエナビスタ「凄い速い…あの2頭、速すぎる…」 ワルキューレ「負けない、私は、負けない!」 ワルキューレ「ヴァルハラよ、私に力を!ラグナロクの翼を!!」 バサッ 優作「つ、翼!?」 ワルキューレ「私は戦乙女…このラグナロクの翼で!」 アパパネ「きゃあっ!」 ブエナビスタ「ひ、光の翼が…この私が…負ける!?」 487 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 21 34 ID b0seC6Qt0 三宅「うわぁぁぁ!なんか凄い!言葉には表せないことになってるぞぉぉぉ!」 丸田「ミオリチャン!」 ミオリチャン「わかってる!」 丸田「俺たちはもう…」 ミオリチャン「弱くなんかない!!」 ピカーッ! 三宅「ま、眩しい!なんだこの競馬場を包み込む、まばゆいばかりの温かな光は!」 ミオリチャン「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 三宅「つ、翼だ…天使の翼だ!!ミオリチャンが天使になった!!」 キズナ「ミオリチャン先輩…!」 脩「俺たちの分まで頑張ってくれ!丸田!」 武市「ミオリチャン…今、お前は天使になったんだ…」 宗像「恭介…強くなったな…」 ブエナビスタ「ミオリン!」 アプリ「ミオリン、いっけぇぇぇぇぇぇ!!」 善臣「丸田、ふっきれたようだな…お前はもう立派な一人前だ!!」 489 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 29 08 ID b0seC6Qt0 三宅「ミオリチャン、これは凄い速度だ!しかし前のワルキューレもまだまだ止まらない!」 三宅「さらにラドラーダとコロンバスサークルも異常な速さ!」 三宅「これは誰が勝つか分からない!!わたくし興奮して全裸になってしまいました!!!」 宏司「この音速は伊達じゃないぜ!」 太一「おっと、音より光の方が速いんですよ!!」 優作「ワルキューレ…戦乙女…!勝つのは俺たちだ!」 丸田「どけどけ!大天使のお通りだぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」 三宅「4頭とも譲らない大激戦!勝つのは戦闘機か!超電磁砲か!戦乙女か!大天使か! 勝つのは、誰だぁぁぁぁぁぁぁ!!」 491 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 33 42 ID b0seC6Qt0 ざわざわ…ざわざわ… …… シーーーーーーーン 三宅「ラドラーダ、コロンバスサークル、ワルキューレ、ミオリチャン! 4頭同着!4頭同着!競馬史上初、しかもGⅠの舞台で4頭同着です!!」 ワァァァァァァァァァァァァ! ラドラーダ「はぁ…はぁ…」 コロンバス「よ、4頭…」 ワルキューレ「同着……?」 ミオリチャン「私に…私にも…翼が生えたんだ…!」 493 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 39 57 ID b0seC6Qt0 ワルキューレ「あーあー…こんなに芝が禿げちゃって…誰のせいかしら」 ラドラーダ「わ、私のせいだって言うんですか!このビリビリ牝馬のせいです!」 コロンバス「ビリビリ言うな!アンタが戦闘機に変形したりするから芝が禿げたのよ!」 典弘「あんまり禿げ禿げ言うのやめてくれないか」 後藤「プッ…」 典弘「てめぇ!」ボカッ 後藤「いってぇー!何するんすかぁ!」 アパパネ「ふぅ…今回は皆にやられたわね…」 浜中「そうだな…」 496 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 46 47 ID b0seC6Qt0 アプリ「ミオリン!おめでとう!」 ブエナビスタ「まさか天使の翼を出すなんて…参ったわ…」 ミオリチャン「アプリ…ババア…」 ミオリチャン「そうだ。今度、3人でショッピングにでも出掛けるか?」 アプリ「うん!」 ブエナビスタ「…ま、いいわ。3人で行きましょう」 善臣「丸田!見直したぞ!」 豊「ああ、いい騎乗だった」 丸田「相談役…豊さん…」 宗像「私の競馬人生において最高の誇りは君だよ、恭介」 丸田「先生…!俺、俺…!!…ッ」 宗像「大丈夫、もう誰もお前を弱いなんて思いやしないさ。だから、涙を拭きなさい」 497 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 53 22 ID b0seC6Qt0 太「太一でかした!よくやった!感動した!!」 太一「へへっ!コロンバスの馬体に描いた御坂美琴が笑ってらぁ」 幸四郎「よっしゃ、今日はパーティーやなパーティー!」 邦彦「クラッカーとか買ってこなくちゃな!」 オオゾラ「太一の勇姿、ビデオカメラでにばっちり収めたぜ!」 アプリ「太一もやる時はやるのね…」 豊「ああ。アニメキャラの能力をそのまま馬に宿らせるなんて離れ業、あいつにか出来ないだろう」 498 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 21 59 34 ID b0seC6Qt0 ~優作の部屋~ 優作「ふんふーん♪」 優作「やっぱいいなぁー。砂嵐!」 ピッ 優作「ん?」 ~♪ 優作「げっ。またワルキューレの騎行…」 優作「でも何でだろう…嫌な気分じゃない…むしろ心に響いてくるぞ?」 優作「そ、そうか…そうだったのか」 優作「俺、ワーグナーが好きなのかも!」 (天井裏) ワルキューレ「なんでそうなるかなぁ…」 ワルキューレ「でもまぁ…。今日はお疲れ様、優作くん。 私のテーマ曲を子守唄にゆっくり休んでね…」 499 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 22 06 21 ID b0seC6Qt0 ~藤沢厩舎~ 藤沢「ラドラーダ…正直スマンカッタ」 ラドラーダ「…いいんですよ、先生!もう済んだことじゃないですか!」 ペルーサ「北村!俺もフォームチェンジしたい!」 宏司「お前は…多分無理だろ」 ペルーサ「なんでじゃい!」 ダンファ「宏司…とってもカッコよかったよ///」 アンナドンナ「いけめん、まじ、いけめん~」 宏司「ははっ。ありがとな、お嬢ちゃんたち」 500 :名無しさん@実況で競馬板アウト:2010/11/20(土) 22 10 22 ID b0seC6Qt0 ラドラーダ「宏司…」 宏司「ん?」 ラドラーダ「あのね…あの……」 宏司「…うん」 ラドラーダ「見て!ハッ!」 リリエンタール「ほっ!」 ペルーサ「あらよっと!」 ラドラーダ「見て宏司!三頭合体スーパーフジサワロボ!!」 リリエンタール「あっ崩れるっ」 ペルーサ「うわーっ」ガシャーン 宏司「いい加減にしろよ3バカ…」 つづく
https://w.atwiki.jp/akatarusurereview/pages/231.html
XXXSS投稿掲示板 記号・英数字・あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ タイトル 投稿者 【長編】我が家の『性』長記録 リンカーン中田氏 『別れた先に』 G オリジナル 純愛 LATE-K 私の彼氏はヘタレでバカで。 午後12時の男 ワルキューレの伝説:盗人と戦女神 物部彦 ワルキューレの冒険:女神の酒宴 物部彦 XXXSS投稿掲示板 記号・英数字・あ・か・さ・た・な・は・ま・や・ら・わ
https://w.atwiki.jp/famicomall/pages/352.html
前のゲーム | 次のゲーム クリア条件:エリア16クリア(以下エリア7からループ) 開始時間:2007/10/07(日) 15 06 49.91 終了時間:2007/10/07(日) 18 05 02.63 ※AC版ではゼビウスのループは最後まで行っても一番最初のエリアに戻るものではありませんでした。なので経験者がプレイするなり観戦してもらうなりしないとループしていることに気がつかないかも。 ※エリアの区切りは長い森なので数えといてくだしあ。ただ面を一定以上進んで死ぬと次の面の最初からスタートになったりするので余計わかりづらい。 ※目安としては、アンドアジェネシスが出てくるのが4、9面。開始直後とその後、アンドアジェネシスが2回出てくるのが14面。砂漠でドモグラムの編隊がぐるぐる回ってるの(通称盆踊り)が7面。 超々有名縦スクロールシューティングゲーム AC版においては9960000点から無限エクステンドが始まり9999990点でカンストとなる。 最速でも4時間切る程度のこのカンストが当時のゲーマーのひとつのステータスだったが FC版では億まで数えられるらしいのでカンストは無理ですw 空を飛ばないアンドアジェネシス、失われた地上絵、回避しやすいバキュラやギドスパリオ 回避しにくいガルザカートなど、文句はいろいろあるだろう。 しかしこれがファミコンでも有数の名作であることは間違いない。 そもそもアーケードのゼビウスはナムコミュージアムやアーケードのナムコクラシックコレクションでもしっかり移植できず、PSの3D/G+までちゃんとしたのは1つもない。 コンティニューなし。1コインクリア必須です。 エクステンドがそこそこあるので極端に厳しくはないが、易しくはない。 若い方など初見の人はガルザカートやバックゾシーの恐怖を存分に味わってください。もちろん数多い達人も大歓迎。 ★雑感 色遣いや画面の比率は家庭用ならではの厳しさを感じさせるが、トータルでアーケードの雰囲気をよく表現している。愛のある移植だ。今プレイしても手応え十分なゲームバランスと、世界観をがっちり構築している個性的なキャラクタは、このゲームが熱狂的なファンを生み出したのも納得できるところ。 ★SS ▲16エリアスタート直後、いきなりプレイヤー泣かせな敵の配置。 ▲すっかりお馴染みの敵ながら、ちょっとした配置の妙と空中物の激しい攻撃で一気に地獄のエリアと化している。 ▲ここが16エリアのラスト、2連ガルデロータ。ブラグザカートが出現していて泣ける。 ▲ガルデロータを破壊して無事16エリア突破!? ▲7エリアに戻ったことを示すバキュラにホッと一息。 ★説明書での必勝テクニック ■ゾルバクは確実に破壊 ゼビウス軍の攻撃は刻々と激しさを増す。それを防ぐためにはゾルバク(敵の情報収集システム)を確実に破壊。攻撃してくる敵の難易度が下がる ↓ゾルバグ ■敵を知れば百戦安泰 敵の兵器は攻撃パターンが何通りか決まっている。これを見抜けば、突然出現しても仰天する事なく冷静なる対処が可能となる。また敵の地上基地の配置は一定である。地形を覚え常に先制攻撃を心がける。 おまけ 芸夢「こ、これがゼビウス 魔の二千機攻撃!!」